2008年06月27日

お願いがあります

こんばんわ.yulico です.本日はここをご覧の皆様に情報提供のお願いがあります.

この度,研究紹介の事例として「ムー大陸の沈降」に関してレビューすることになったんですが,それに関連する情報を集めています.現在,Churchward, J. (1931) "The lost continent of Mu" に続く一連の著作,狩野亨吉,1936,「天津教古文書の批判」,木村政昭による「与那国海底遺跡」などの文献は入手済み(or 予定)です.その他で有用と思われる文献等の情報がありましたら,コメント欄等でお寄せ下さい.特に戦時下の日本で大きな話題になった「竹内文書」にまつわる情報が不足気味ですのでその辺りの偽史に詳しい文献等の情報もおまちしております(元大塚英志マニアなので彼の文献(含漫画)に関しては引用されているものも含め結構読んでいます.しかし,偏りが大きすぎるので……).

上記の件と,もう一つ.私が以前耳にした「ムー大陸沈降」の仮説があります.しかし,どこでこの情報を耳にしたのかに関して全く記憶がなくて困っています(多分,オカルト系のTV 番組だったと思います).以下のような仮説です.

「チャーチワードの仮説では大陸下にガスチェンバー(と名付けられた空洞)が多数存在し,それらが大崩壊を起こして,大陸が海中に没したとされるが,そもそも大陸が沈降すること,地殻中にこれほど大規模なガスチェンバーが存在することが地球科学的に有り得ないことである」

「そこで,そもそも『大陸』を想定せず,ガスチェンバーではなく地下に眠っていた大量のガスハイドレート層が崩壊したためにムー島が沈降,さらにガスハイドレートの放出による温暖化,それに伴う海進(縄文海進に相当する)で更に水没した.水没した年代は従来主張されている12000 年前ではなく,10000 〜8000 年前頃とすべき」

この説で,「誰が提唱しているのか?」「どのような媒体で流れたか?」の二点に関して何らかの情報をお持ちのかたが居られましたらご一報願います.おそらく木村政昭氏による与那国海底遺跡の水没のメカニズムの改変版だと考えられます(木村説:ヤンガードライアス期末の海水準上昇で遺跡が水没したとする説).

以上,大真面目によろしくお願いします.
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2008年06月26日

洋楽史上最高のアルバム

VIPPER な俺より
「洋楽史上最強のアルバム」
http://news23vip.blog109.fc2.com/blog-entry-1229.html

この中で挙げられているアルバムの中で,俺的にもかなり上位に入っているのは,

"Ziggy Stardust"
"Pet sounds"
"The Stone Roses"
"Quadrophenia"

……の四枚かなぁ.しかし,最強と言うとどれも決め手に欠ける感じですね…….

あと,スレでも話題に上っているけれどこういうアンケートでは "Sgt. Pepper's Lonely Hearts Club Band" なんかが選ばれることが多い気がするします……が,"Sgt. ~" も,最強と言う冠が相応しいとは思えないですね…….

このスレを読んでいて一番はじめに脳に浮かんだのは "Light my fire" だったんですが,やっぱりパンチは弱い気がします.王道で "Hotel California" とか,もっと王道で "IV (Four symbols)" とか "Presence" というのも考えたんですが,ありきたりすぎるかと…….敢えて "War" (U2) もアリかな?好みに走り過ぎな気もするけど…….

最強というと "Argus" なんかでも良い気がするしなぁ…….そっち系の路線を考えると "Boston" という選択肢もありだし…….あのアルバムは衝撃的だったからなー(……なんて書き方をすると,リアル世代のロック好きなおじさんの逆鱗に触れそうだけど,若い世代に取っちゃ「初めて聞いた日」が発売日なのさー).敢えて王道路線ではなく "Pictures at an Exhibition" とかもありなんじゃないでしょうか?あと,邦題の素晴らしさでポイントを稼いでいる "Atom, Heart, Mother" とか?

最近のも考慮に入れると "Korn" なんか,そろそろこういう場に登場させても良いと思うんだけれど,どうでしょう?あと "Californication" なんかはいかが?軟弱過ぎかしら?

多分,メタルアルバムと言う選択肢はなしなんだと思うんだけど "Vol. 4" は考慮対象に入れても良いと思うんです.敢えて "Vol. 4" なのは説明する必要はないと思います.

「最強」という謳い文句であれば "White riot" もありかも…….個人的には "London calling" がジャケットの素晴らしさも含めてCrash の最高アルバムだと思うんですが……(因みに我が家には "London Calling" のポスターが飾ってあります.あの瞬間の写真が存在することこそが「ロック」だと思うんです).

個人的にはQween とBeatles のアルバムと言う選択肢は無しだと思ってます.この2つのバンドはオリジネイター過ぎて「そりゃそうだろー」としか言えなくなるからです.

"Layla", "Wheels of fire", "Fresh Cream" あたりを選ぶのは反則のような気がするしなー.流石にね…….

"Are You Experienced?" も考慮対象から外すわけにはいかないけれど,どう考えてもJimi Hendrix の名前を出したらWoodstock のときの "Star spangled banner" 以外を最強と名乗らせるわけにいかなくなりますからねぇ…….

……色々,考えては見たんですけれど,このblog 的な落としどころとしては "The Madcap laughs" にしておくのが妥当でしょうか?

……お後がよろしいようで…….
(※いや,このあとに真打ちの師匠が登場するわけではありませんが……)
posted by yulico at 03:44| Comment(0) | TrackBack(0) | うぇぶろぐ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年06月25日

そもそも

……iPhone の購入希望者でこんなんが障害になる人いるの?

livedoor ニュース.
「それでもiPhone が売れない 9 つの理由」
http://news.livedoor.com/article/detail/3698396/

ニュースという名のコラムなんだけど(しかも,自称記者の書いた),初っ端からいわゆる「俺統計」で笑える.

下記が記事で挙げられている不満らしいんだが,これのどこがiPhone を買う上での障害になるのかわからない.つーか,ほとんど意味不明.……なので釣りにマジレスしてみる.

1. FeliCa などの電子マネーに対応していない
2. ワンセグがない
3. プランに強制加入というのが気に入らない
4. カメラが使えない
5. 本体が高い
6. キャリアがソフトバンクモバイルである
7. 通信がもたなさそう
8. Apple の初物は危険
9. バッテリーが取り外せない上にサポートがダメ

まず,2, 4 は携帯電話の機能として全く無用.むしろいらない(ので障害でもなんでもない).今持っている自分の携帯電話にも,この2つはついているけれど(正確にはTV はワンセグメント方式ではない),全く利用したことがないどころか無用.カメラはついていると便利なこともあるんだろうけど,携帯に必要な機能か,それ?

1 に関しては「使う人は使うんだろうなー」と言う感じ.……だけれど,別に携帯だけが電子マネー用のツールでも無いべよ…….財布持たないでふらふら歩けるって言うんだけど,財布一つ持つ持たないことにどれだけメリット,デメリットがあるのか疑問.つーか,そう言っている人間はその辺ちゃんと考えてるのかしら?

5.高くないです.携帯が安い時代はとうの昔に終わっています.携帯は最先端工学の結晶した精密機器です.

3.ここを見る限り,そんなにプランとして限定されてるとは思えないけど?それとも,iPhone の機能を使いたくないだけ?それって,iPhone をもつ意味がないから無関係じゃね?

6.……ガセネタはいい加減にしてほしい…….今時,会社間で電波圏にムラがあるとか……ねーよ!各社によって(田舎の集落以外で)電波圏を広げる戦略に差があるとはいえ,都市部で会社によって電波の強い弱いがあるとか,どんな妄想だよ.因みに,北海道内の田舎で一番電波圏が広かったのはSoftBank モバイルだったぜ?夕張岳の頂上と大雪の頂上でも現SoftBank だけ電波が届いたと言う伝説があるし(実地検証済.当時はSoftBank ではなかったけど).

7.ねーよ.

8, 9.ようやくマトモな障害.ただ,これに関してはApple 製品に対する愛の有無の
指標になるだけであって,真性のMac 信者には関係ない気がするなぁ……(あらかじめ断っておくけれど,俺は信者じゃないよ).9 なんかはもっともな話なんだけれど,電池トラブルがiPod でどれだけ起こっているかを考えれば,普通の携帯を使っていて何か重大な問題が起こる頻度とほとんど変わらないか,少し多くなる程度なんじゃないの?まぁ,「電池如きで……」っていう意見があるのはしょうがなかろうが…….8 に関しては,ほとんどソニータイマーと同じレベルの都市伝説だし,初期ロットにトラブルが多いのはApple に限った話ではないでしょうよ…….

……とか,ネタにマジレスしてみたわけだけど,記事の最後の「もしもAppleだから、オシャレだからなんて理由で買うと痛い目にあうぞ」という記述だけは真実なのでピックアップしておきます.
posted by yulico at 14:25| Comment(0) | TrackBack(0) | にっき | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年06月24日

こんにちわ.yulico です.今日は凄く大きな虹が出たので,その写真を…….

P6240162.JPG

遠景.理学部の 6 号館南側通用口から南向きに.

P6240164.JPG

同一地点から.カウンターパート.



posted by yulico at 20:17| Comment(0) | TrackBack(0) | にっき | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

サイエンスコミュニケーション

昨日のエントリや,同僚の最近の意見に関連して.

以下は別にサイエンティスト目線からの傲慢でもなんでもなく,コミュニケーションに関する一般的な認識だと思うんだ.僕自身,このblog で特に「環境問題(笑)」のシリーズでサイエンスコミュニケーションの真似事をやっていたりするので,ひとつは,以下の原則以上に傲慢になっていないか,という自省の念も込めて…….

・無知であることとバカであることは根本的に違う.同じ無知でも学習意欲の有無で月とスッポンの差がある.サイエンスコミュニケーションで科学が相手に想定しているのは学習意欲のある無知な人だけである.

・サイエンスコミュニケーションは,科学に対して興味はあるけど無知な人に科学を理解して頂くためにサイエンティストが努力するものであるけれども,サイエンティストがバカのために粉骨砕身するものではない.ましてや,学習意欲がない人間を相手にする場ではない.サイエンスコミュニケーションの場は義務教育機関ではない.

・ある程度以上の共通理解を得られないバカとはそもそもコミュニケーションが成り立たない.ディスカッションもできない.

・ゆえに,相手とコミュニケーションを取るときに,無尽蔵なバカを想定する必要はない.仮に相手が雑多な背景をもつ人間の集団であった場合,コミュニティーの中の一番下にレベルを合わせる必要はない.

・サイエンスコミュニケーションは学校教育と一緒.落ちこぼれを作ることも,バカにものごとを理解させることが出来ないことも,学習意欲がない人間を切り捨てることも,責められる必要はない.

・そもそも,こういう指導・啓蒙のプログラムは,上記のような人をどうにかするようにできていない.特殊なおバカさんたちを除く,できるだけ多くの人間が一定水準の理解を得られることを目的としている.

・普通の高等教育機関は「入学試験」で「学習希望者」を選別している.当然,(通常,高等教育に準ずる知識の伝搬を目的とする)サイエンスコミュニケーションの場でも,どうしようもないおバカさんを相手から除外する権利はある.

・しかし,実際には選別不能であるので,やってくる一定数のおバカさんたちはなんとかしてスルーするしかない.

・サイエンスコミュニケーションの場において,物事を理解できないのは,解説者の能力不足ではなく,自分の脳みそが一般の平均からみて劣っていることを指していると認識すべき.現実に,貴方の周りの人間の大多数はその解説者の話を理解できているはず.

・結局,日本語話者としか日本語では会話できない.……つまりは,そういうこと.

……これを僕のかわりに某古生物掲示板に貼ってくれる方がいらっしゃいましたらyulico までご連絡下さい.それによって,いかなる損害が生じてもyulico は責任を負いかねますが,一食くらい奢ります.
posted by yulico at 06:31| Comment(0) | TrackBack(0) | いんまいふぃろそふぃい | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年06月22日

誰か教えて……

「初めてやったゲームでルールを読んでいないことが原因で負けたときに『初心者がルールブックを読まなくてもできるゲームを作るのが制作者の責任』と言うのと同じですね.
初めてやるゲームにはルールブックをちゃんと読んでから参加すべきだと思いますけれど?」

と言う提案に対して,「ルールなんか読まないし,そんなゲームならゲームに参加しない」と言っている人が,同じゲームに参加して来るんですが,どうしたら良いですか?
posted by yulico at 20:34| Comment(0) | TrackBack(0) | にっき | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

最近のワタシ

こんにちわ,yulico です.今日は珍しく電子音がピコピコしたCD のお話です.

先日,ファミソン8 BIT☆アイドルマスター04 菊地真/萩原雪歩 を入手したのですが,そこにアレンジとして参加されているKplecraft にヤラレました(My Space はこちら).

彼らのなににヤラレタかって,二人組ユニットでパート分けが「FC (mck), GB (nanoloop1.2), effects, saxophone, etc..」な方と「conga, djembe, bongo, didjeridu, etc..」な方で,しかも,ライブで生演奏するとか…….完全に狂ってます(褒め言葉).つーか,パーカッションに使われている打楽器類はともかく,サックスって……(しかし,公式ウェブサイト上にアップされているライブの写真をみると,本当に機材をいじりながらサックスを抱えているんですよね…….My Space で試聴できる音源でも普通にサックス入っているし……).

僕自身はファミコン世代ちょいあと〜スーパーファミコン直撃世代なんですが,親がTV ゲームを買わなかった(買ってくれなかった)+僕自身野外で走り回ること以外にほとんど興味がなかった,という理由で,コンピューターゲーム機はゲームボーイしか触れたことがなかったり,8 bit なゲーム音楽や電子音が中心の音楽にほとんど触れてこなかったので,こういうタイプの音楽にほとんど触れていませんでした.なので,あんまりこういう分野には詳しくないんですが,Kplecraft 的な音楽性は異端なんじゃないかなー,と言うことだけは推測できます.

〜中身について〜

音楽自体は,もの凄く真面目なジャズをアレンジの核にしているあたりが秀逸.電子音が苦手な僕でもすんなりと作品世界に入り込めました.ベースなんて曲によっては完全に教科書的なランニングベースだったりします.あくまで電子音母体の四角四面なリズムに乗っているのに,遊びで何百分の一拍単位でリズムを揺らすあたりがニクい.しかも,生演奏が全く不自然さなく電子音に溶け込んでいるのが凄い.真面目にジャズやらせたらどれだけ上手いんだろう,とか考えると怖くなります…….

とにかく,Kplecraft はお勧めです.普通に,彼ら目当てでファミソン 8 BIT の全シリーズ購入を考えている自分がいるのが怖い(財政的な意味で).
posted by yulico at 18:41| Comment(0) | TrackBack(0) | 音楽 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年06月17日

環境問題(笑)4

「blog の更新は現実逃避」の精神で頑張っておりますが,これだけ環境問題に関して真面目に扱っているblog にも関わらず,「MMR」とか「古細菌アーキア」とかのキーワードでの検索はアホみたいに沢山引っかかっているのに,「環境問題」とか「地球温暖化」というキーワードで検索して来て下さるお客様がちっとも増えないことが若干不満だったりするyulico です.こんばんわ.今日も今日とて,懲りずに環境問題ネタを書き付けるのであります.

なんだかもう,「環境問題(笑)」として,かなりシリーズ化しているこのタイトルですが……,また,面白い話を小耳に挟んだので…….

話は先日幕張メッセで行われた地球惑星連合大会という学会でのことらしいです(らしい……と言うのは,わたし自身が参加していないのでまた聞きだからです).そこで「21 世紀は温暖化なのか、寒冷化なのか?」というシンポジウムが開かれたそうです(笑).世話人になっているのは(温暖化の原因は二酸化炭素の増加ではないという主張で)有名な丸山茂徳先生(僕自身が丸山先生のこれまでの業績を非常に尊敬していますので,先生の名誉のためにリンクはいたしません).

どうも噂と講演要旨によると丸山先生は,そのシンポジウムで「宇宙線による雲の発生」が原因による地球温暖化仮説を大々的にアピールした上に,地球は2030 年代に入ると寒冷化する,という仮説を唱えられたそうです…….

…….

「宇宙線―雲形成仮説」について,簡単に説明しますと,地球に降り注ぐ宇宙線量が増加すると「雲」が形成されやすくなり(仕組みについては「霧箱」で検索して下さい),アルベド(地球の反射率)が増加するため入射する太陽光線量が減少するため地球は「寒冷化」し,逆に宇宙線量が減少すると逆の仕組みで「温暖化」する,という仮説です.

(※ただし,仕組み自体は科学的に正しくとも,この程度の雲の増減(しいては宇宙線量の増減)は,短期的な気象の変化を引き起こすことはあっても,決して気候変動を伴うような大規模な環境変動は引き起こさない.そのため,多くのサイエンティストにとっては,本来の意味での気候変動を伴う温暖化に大きな影響はないと考えている(なぜなら,雲の形成自体には地表の気温が宇宙線量よりも遥かに大きな影響を与えることが明白であるため)).

以前から,地球温暖化に関する異説(ここでは現在最も主流である二酸化炭素原因説以外とします)は数々挙げられてきました.比較的科学的考証がマトモなものでも「太陽黒点周期説」しかり,今回の「宇宙線―雲形成説」しかり…….また,ほとんどオカルト・偽科学であるものまで数えれば,それらの異説は数限りなく存在します(上記2説以外の異説はその説を支える科学的・論理的根拠がほぼないので名前を挙げることを控えます).

このような異説(太陽黒点と宇宙線の二説ね)が,どうして一流の地球科学者を惑わすのか?それは,おそらく根本的な「温暖化」という言葉に対する定義の差にあります(もちろん,各説の論理の根本が間違っていない,という点は重要だけど).

私を含む多くの地球科学者は「温暖化」「寒冷化」という言葉を非常に大きなスケールで捉えています.簡単に言えば,くっきりと気候が変わってしまう「気候ジャンプを引き起こすか否か?」という観点でものを見ています(「白亜紀=温暖期」,「氷期=寒冷期」というレベルの議論).しかし,おそらく,丸山先生をはじめとした「異説」の支持する方々の多くは「もの凄く短期スケールの気温の増減」にとらわれすぎているのではないかと思います(極論を言えば,去年より年平均気温が下がれば「寒冷化」,上がれば「温暖化」というレベルの議論).そもそも議論のスケールが噛み合っていないのだから,ディスカッションにすらならないというのが現状です.

もっと噛み砕くと,こちらが「あと数百年,数千年と言うスケールで,両極から氷が無くなるかもしれない」という議論をしているときに,「次の十年で気温が0.1 ℃下がった(上がった)」という議論をしている人たちがいる,ということです.メインの問題が前者の議論であるとすると,後者の人々が検討はずれの議論をしていることは誰の目にも明らかだと思います(とか,ただの一学生が自分自身が尊敬する先生のことを悪く言ってしまうことになるのは凄く嫌なんですが……).

しかし,こういった学説が大御所の先生の口から誤って広がってしまうことは,非常にまずい現象です.世の中にはこういう反主流な学説を「反主流である」という理由だけで,吹聴しまくる人間が多くいるからです(こういう問題に関しては,これまでもさんざん書いてきましたが,一応,一番下に関連リンクを貼っておきます).そもそも,ただでさえ一般の人々の間では,最早ほとんど疑念を差し挟む余地のないはずの現在の議論に,有象無象の異説が紛糾しているかのように見えているのだから,なおさらです.

では,そもそも,なぜこんなにも地球温暖化に関する議論が紛糾している(ように見える)のか?

ここに飲茶さんという方が主催されている「哲学的な何か,あと科学とか」というweb site から「フェルマーの最終定理(8)」という文章を紹介しましょう.

(※ただし,このサイト自体は管理人の文系脳が酷いので,科学読み物系サイトとしては全くお勧め出来ません(そもそも,このサイトは,いずれこのblog でこてんぱんに叩こうと思って読んでいたのです.でも,こうやって引用した以上叩き辛くなってしまったかも……www).ただし,飲茶氏の文才はなかなかのもので,こういう寓話については,非常に読み応えがあります)

この文章は「フェルマーの最終定理」という「一見簡単そうに見える超難問」にまつわる数学史物語の中の一章です(この一連の著作は物語としては読み応えがあるのでお勧め).僕にとっては,この章の主人公が「最終定理」に取り付かれる様が,多くの穿った見方をする一般の方の「地球温暖化異説」に取り憑かれる様によく似て見えます.

このblog でもよくネタ(リンク先の最後など)にしていることですが「進化論」なんかでも,こういう現象は見られます(学会では,とうに議論の済んだ話なのに,一般の社会の中では未だに議論が紛糾しているように見える現象のことね).

多分,これは問題そのものが身近過ぎて「簡単そうに見えてしまう」ことが原因なんだろうなー,と思います(いや,実際,「最終定理」はともかく,地球温暖化問題や進化論は主要学説自体がもの凄く簡単なんだけど……).んで,問題は,そういう人たちが「問題」自体を「簡単そう」とか思っておきながら,(学会と言うブラックボックスの中で)あまりにも単純に物事を説明されると「俺様にしか考えつかないもっと高度な説明(笑)があるはずだ!(主要説より格好良い「宇宙線」とか「太陽黒点」とか言う単語が使われている!こっちが正しいに違いない!)」となってしまうのでしょう…….あと,アンチ趣味って言うのも大きいかもしれません(しかし,そのアンチ趣味が「水は0 ℃で凍る」と言う物理現象の記述に対して,「水に良い言葉をかけると綺麗な結晶を作ってくれる」と言って「道徳」を説くくらい狂った趣味だと言うことに気付かないというのは,心底どうかと思う).

多くの場合,異説に踊らされる人たちは,自分の頭をまったく使っていないため,議論の真偽を見極められないか,何らかの宗教的な信念に基づいて物事を曲解しているといえます(例として,進化論ネタでこんなサイトを挙げておきます.はっきり言って,我々から見ると「環境問題の異説」を唱えることは,こういう電波を飛ばしているのに等しいです).

同じ証拠に関して,自分が他人と違う解釈を持ったとき,相手(大多数)を論破出来る根拠もないのに「異説」を支持することは,考察ではなくただの妄想です.または,自分が「根拠」と考えていた理論が論破されたのに,それを認めず,自分(または自分の信奉する仮説)を信じ続けることは,科学行為ではなく宗教行為です.そして,もっと絶望的なことを言うのであれば,「異説を信じている自分」の敵は,世界最高峰の科学者たちの形成する頭脳集団なのです(別に,科学者だから上とか偉いとか言うつもりはありませんが,問題に関して「命がけで研究している人」と「普通の人」のどちらがより科学的に考察できるかは明らかだと思います).

ソレデモ,アナタハ,自分ノ信ジル異説ニ殉ジマスカ?

<関連>
「環境問題(笑)」(http://yulico-dot-com.seesaa.net/article/84244077.html
「環境問題(笑)2」(http://yulico-dot-com.seesaa.net/article/90862948.html
「環境問題(笑)3」(http://yulico-dot-com.seesaa.net/article/95832490.html


(同日 5:10 追記)

内容に補足.

全然関係ない論文を読んでいて,偶然見かけたから書いておく(とか偉そうに言いながら,さっきまで全然知らなかった……orz).

二酸化炭素の温室効果による気候変動を初めて論じたのはArrhenius, S. (1896) だった.因みに,その2年後にはChamberlin, T. C. (1898) で,氷期と二酸化炭素分圧の関係についての議論が行われているとか…….

えーと,つまり,地球温暖化の原因が二酸化炭素じゃないって言っている人間は,脳みそが一世紀遅れと言う認識でOK ?

※Arrhenius は,あの,高校の化学の教科書にも載っているアレニウスです.化学反応速度に関わる「アレニウスの式」とか,酸と塩基に関する「アレニウスの定義(水に溶けて水素イオンを生じるのが酸,水酸化物イオンを生じるのが塩基,ってやつ)」で有名な化学者でつ(1903 年,ノーベル賞受賞).
ラベル:環境問題
posted by yulico at 03:55| Comment(0) | TrackBack(0) | おべんきょう | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年06月12日

昨日の記事は撤回で

昨日,こんなエントリを書いたわけですが,どうも,このフォームからメッセイジを送れるのはSeesaa のアカウントを持っている人のみ,ということみたいですね…….勘違いしてました……orz いや,薄々そうじゃないかとは思っていたんですが…….

しかし,そうだとするとSeesaa の意図が見えません…….mixi のようなclosed なコミュニティーであるならまだしも,ウェブ全体を対象に文章を垂れ流しているブログという形態をとりながらSeesaa ブロガーのみでコミュニケーションをとることになんの意味があると言うのでしょう?

あ,でも,どうせメールアドレスを貼っていたところで,コメントもないこんなブログでメールが来るとは到底思えないので,メールアドレスは消しっぱなしで放置することにしました.
posted by yulico at 00:02| Comment(0) | TrackBack(0) | にっき | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年06月10日

seesaa の新機能?

……で,メッセージを送れるようになったみたいなので,E-mail アドレスを削除しました.今後,yulico にメッセージを送りたいという奇特な方がいらっしゃいましたら,プロフィール下の投稿フォームからメッセージを送信して下さい.

よろしくお願いします m(_ _)m
posted by yulico at 21:18| Comment(0) | TrackBack(0) | にっき | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年06月08日

インターナショナルフェスティバルに見る食の進化学(予察)

こんば……おはようございます.yulico です.現在,北海道大学は学校祭期間中ですが,なんの影響もなく研究室でぐったりと過ごしております.

しかし,学校祭の企画として毎年行われている留学生(および研究員)が自国の料理を振る舞うインターナショナルフェスティバルには連日参加してたりします(なぜなら珍しい食い物がいっぱいだから).このイベント(?)には,毎年参加して食い歩きをしているのですが,ここ五年間くらいの食い歩きの感想から,ちょっとした食の進化論的解釈を思いついたので,面白いかどうかはわかりませんが記録しておきます.

「インターナショナルフェスティバルに見る食の進化学(予察)」

はじめに(研究の目的)
地形的な隔離,地理的な農業生産物の差異が,食文化の進化・形成にいかにして関わるかを,インターナショナルフェスティバルの開催時に出店している各国の料理を基に推察する.

試料と方法
インターナショナルフェスティバル@北大祭に出店されている各国の料理のうちyulico の口に入ったもの.
yulico の主観による味の類似,乖離,地理的な関係をもとに主観に基づく分類を行う.

結果
派生中華系
日本(中華系から派生しているものの,醤油文化など,島国であることによる独自発展要素が大きいため,独自の系を確立した)

中華系(醤,味噌等に類似した味付け.香辛料少なめ)
中国,韓国(韓国は中華系的要素と東南アジア系の要素を併せ持つ)

東南アジア系(香辛料の使用が顕著.ただし,主な香辛料は唐辛子である)
フィリピン,タイなど

中央アジア系(中東系のような香辛料は使用しておらず,また,中華系から派生する味とも異なる.調理に乳製品が用いられる)
ブータン,モンゴル

インド・中東系(いわゆるインドカレー的な香辛料の用い方をする.炭水化物として豆が用いられる)
パキスタン,インド,バングラディッシュ,パレスチナなど

南欧州系(ラテン系)
スペイン

北欧州系(ゲルマン系)
ベルギー

アフリカ系(香辛料の使い方がインド・中東系とは異なる)
エジプト,ガーナ

南アメリカ系(香辛料は少ないが炭水化物として豆が用いられる)
チリ,アルゼンチン,ブラジルなど

分類
1.地理的分類
地理的な要素を強く分類として,下記の5 個のグループが認められる.各グループ内ではある程度の味の類似が認められる.

Group A: 派生中華系,中華系,東南アジア系,中央アジア系.
Group B: インド・中東系.
Group C: 南欧州系,北欧州系.
Group D: アフリカ系.
Group E: 南アメリカ系.

2.味の類似度
味の類似度に基づく分類として下記の6 個のグループが認められる.各グループで地理的な関係性は認められない.

Group a: 派生中華系,中華系,アフリカ系.
Group b: インド・中東系,南アメリカ系.
Group c: 東南アジア系.
Group d: 中央アジア系.
Group e: 南欧州系
Group f: 北欧州系

考察
分類時に行った味に基づく分類と地域差に基づく分類では,結果が大きく異なった.具体的には,本来,地理的にも文化的にも大きく隔てられている中華系とアフリカ系の味の類似が典型的である.
食文化が進化する過程で受ける淘汰圧には大きくわけて「食材の有無」と「人間の味覚」の2つがある.「食材」による淘汰圧は,地域的な関係性によって分類したグループ内である程度の味の類似性を見いだすことが出来たことから,食文化が進化する中で大きな要素の一つであると考えられる.
人間の味覚には生理学的に「甘味」「酸味」「苦味」「塩味」「うまみ」の五味があるとされる(更に辛さの刺激を加えて六味を考えても良い).よって,人間の味覚を淘汰圧として考えた場合,地域差に食材の差に依存しない自然選択が行われていることを示す.このことは,味に基づく分類で,地域的,文化的な背景を越えて味の収斂が起こったことを説明出来る.
今後,より国際化が進み,各地の食文化がお互いに認知され,文化的背景を越えた「好みの味覚の画一化」が起こることが予測される.このことは,人間の味覚に依存した自然選択が継続することにより,ある程度食材や文化的背景を無視し,各地の食文化において味の収斂がより進展することを示すと考えられる.

結論
・食文化は地理的な限定要素のみではなく,人間の味覚により強い選択を受ける.現在の各国の食文化は,これらの淘汰圧による自然選択の結果残ってきた,より人間の味覚に適した味を持つ文化であると言える.
・調理方法,材料が異なっていても,同一の味に辿り着く場合,食文化の収斂が認められることがある(例:アフリカ系と中華系の類似).
・今後,更に人間による味の選別が行われ続けると,ほぼ各国の料理は収斂し,どの地域の料理もある程度似たものになって行く可能性が指摘出来る.ただし,人種間の味覚の差異がどの程度自然選択に影響を及ぼしているのかが明確ではないため,本研究におけるこれ以上の議論は困難である.



……書き終わってから気付いたけど,つまらないな,これ…….もう少し真面目にやるんなら,もっとサンプル数を増やさないと全然駄目ね…….ただ,基本食材でクラスター解析掛けてみたりしたら普通に面白い結果が出てきそうだな,と思った.あと,各地の食材の多様度とかとっても面白そう.
posted by yulico at 06:33| Comment(0) | TrackBack(0) | にっき | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年06月07日

ぶろぐぱーつ導入

気付いている人は気付いているかと思いますが,プロフィールの下のほうにブログパーツを導入してみた.blog pet とかいろいろ考えたんだけど,分析系のほうが面白いかと思い,Kizasi.jp というサイトで発行しているKiTT というパーツを入れてみました.

概要はリンク先で見て頂ければ,大体把握して頂けると思いますが,まぁ,ごく普通のblog 解析系のツールの模様です.面白いのが,著名人のblog と似ている点(言葉遣いとか)を抽出してくれるところと,キーワードを拾い出して感情の時系列変化を表示してくれるところでしょうか…….個人的にはメインキャラクターなのにちっとも可愛げのない棒人間であるKiTT くんがツボです.

で,このブログパーツをクリックするとここに飛んで色々なデータを見ることが出来ます.

取り敢えず,最大の不満点は,感情の起伏グラフに横軸のスケールが入っていなくてわかり辛い点と,似ている著名人のblog 一覧の中に,ロリコン性犯罪者・東国原英夫のblog が入っているところでしょうか……(僕自身は年上好きなんだけどな……).

笑えるポイントは,こんなに傲慢不遜な文章を垂れ流しているblog なのにも関わらず,KiTT くん(blog の傾向によって動きが変わるらしい)がヘコヘコと土下座を繰り返しているところと,まるで「エコ厨」で「スイーツ(笑)」なキーワード群でしょうか?

まぁ,しばらくは面白そうなんで観察してみようかと思います.
posted by yulico at 17:36| Comment(0) | TrackBack(0) | にっき | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年06月04日

無限ループって怖くね?

どーでもいいことですが,最近気付いた自分の萌え属性.

無限ループとその歪み.

無限回のループの中でたった一回誤作動を起こす……という設定に弱いです.ロボットに想定し得ない「感情」が起こるって言う設定とか.ありきたりの設定なんだけど,R.U.R. のエピローグでマジ泣きして以降,そういう設定に弱くなっていることに気付いた.大体,火の鳥も未来篇が一番好きだしなー.あと,「国立博物館物語」とかもそうか.あと,ニコニコのノリスケP のこれ(ニコニコ動画アカウントをお持ちの方のみ)もそうだな…….

で,それに気付いた切っ掛けなんだけど…….Mosaic.wav の「魅惑のツンデロイド」を聞いてたときって言うのが泣ける…….全くツンデレ属性に対する萌え心は持ち合わせていないのに,この曲の歌詞が琴線に触れるので不思議だったんだけど,これも「ツンデレプログラム」がブレるところが肝だからなんだなー,と気付いた……orz.
posted by yulico at 22:46| Comment(0) | TrackBack(0) | にっき | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年06月01日

Wikipedia 2

先日の日記の件に関して同僚コメントを書いていたので,リンクしときます.

前回の記事では「なんでweb 上のコンテンツが引用文献に値しないのか」については,さんざんニュースやら何やらでも言及されている通り,すでにかなり自明なことなので触れませんでしたが,同僚がその辺のことをメインに言及してくれているので参照願います.

蛇足ながら少し補足すると,論文は必ずしも等価でないと言うことが結構重要.

具体的な名前を出すのは差し控えますが,A というジャーナルに掲載されている論文とB というジャーナルに掲載されている論文との間にはたとえ同一の内容を扱っていても本質的な評価が異なることがあり得ます(A 誌とB 誌の間には,扱う分野や考察に要求されるレベルなど,様々な差があるのが通常です.そして,論文を提出する学者側も,それら雑誌のもつ前提条件を基準にして,自分の論文を投稿するジャーナルを「選ぶ」ことになります).一方,ウェブサイト(ここでは学会が運営する電子ジャーナルというジャーナルに次ぐ媒体として認知されているようなサイトではなく,個人が公開している情報を指すことにします.ただし,掲載される情報の確度は問いません)は,それがたとえ十分に検証可能な引用に基づいたコンテンツであり,論文様の体裁が整えてある最終版であったとしても,他のすごく確度の低いウェブサイトと等価でしかなく,その判断基準は読者に依らざるを得ません.それは,永久に評価が個人の主観から脱しないことを意味しています(作者A が「十分」と思ってウェブ上に公表した段階ではA の主観.それをB が読んで評価した段階でもB の主観.以下無限ループ).

ジャーナルにはレッテルという側面があります.あるジャーナルに掲載されるということは自動的に,どういう分野にとって重要な論文で,考察にどのくらいの確度があるのか,を示していることになります.このようなシステムは,必ずしも良いシステムとは言い切れませんが,少なくとも人間が無数の情報を利用時の用途に応じて分類するシステムとしては,(いまのところ)十分に効力を発揮しているといえます(ゴミ論文ばかり載っけているジャーナルは誰にも相手にされず,駆逐されていくので).ダーウィンの進化論と一緒ですな.親(学会)から子供(ジャーナル)は生まれる.子供(ジャーナル)たちは親(学会)と似ているけれど(評価はされているけれど),少し違う(その評価は絶対的なものではない).環境(学者の批判)に適応できない(耐えられない)子供(ジャーナル)は死んでしまう(廃刊になる).

結論:ダーウィニズムを信じるなら引用はジャーナルからしましょう.イマニシズムやら創造論やらを信じるなら……どーでも良いんじゃないですか?
posted by yulico at 02:54| Comment(4) | TrackBack(0) | おべんきょう | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする