2008年12月29日

GN'R "Chinese Democracy" レビュー

先日購入したGuns n' Roses の新譜"Chinese Democracy" のレビューです.mixi からの転載&編集版です.

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このアルバムには,いい意味で期待を裏切られました.ただし,17 年間も死蔵したことがプラスに働いているとは到底思えません.こういうハードロックに大仰なバック隊をくっつけたり,ひたすらオーバーダブを重ねて重厚感を出したりするような手法は,ここ最近の流れからいくと「ちと古くさいんでないか?」と思ってしまいます…….まぁ,僕は好きなのでいいんですが…….

曲のクォリティーは比較的良いと思います.Axl の最近の歌声は,これまで全然聴いていなかったのですが,以前("Use your illusion" の頃)より上手くなっていますね.以前は鼻についていたヤンチャ感がいい感じに抜け,落ち着いた歌に声がしっくりハマるようになっているのにびっくりしました.

個人的には,こういうタイプの曲でいいから,また,初期メンバー(除くドラム)でやってほしいなーとか思ってしまいます.やっぱり,Axl の声の後ろにはIzzy 先生のリズムギターがいてほしいなー,とか.あと,Slash のソロも欠かせません.本作で弾いている人のようなテクニカルなギターは嫌いじゃないのですが,Slash のブルース魂は受け継いでほしかったなー,と言うのが正直な感想です.

今作を聞いて,真っ先に思ったことは,Axl はプログレ的な世界に行きたいのかなー,ということ."Use your illusion" の頃からそういう傾向は若干見られていた気がしますが…….そういう風にプログレ路線を目指していると解釈すると,一時的にバケットヘッドみたいなタイプのギタリストをフィーチャーしていたのにも納得ですし,今作の曲中で無意味に電子音が鳴るのにも得心がいきます.

正直,特に電子音のアレンジは上手くないと思うけど,曲想を練って,もっと複雑な動機を持てばこの路線はアリなんじゃないかなー,とか勝手な妄想をしたくなります.しかし,それをやりすぎると,最早,ロックをやっている意味が霞んでくるし,ハードロックを名乗るわけにもいかないだろうなー.いや,既にその兆候はありますが…….

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〜演奏面〜
ギター隊は結構均整取れていると思うけど(役割分担が上手く機能しているんだろう),Ky のちぐはぐ感は狙っているんだとしたらあまりにセンスがないし,ただちぐはぐなだけならどっちかをクビにしていいレベル.

やたらにキーボードがフィーチャーされているのが気になったので調べてみたら,現在のメンバーには鍵盤屋が二人もいるらしいです.どおりで,一曲の中で鍵盤のセンスがちぐはぐなまま垂れ流されているわけですね…….鍵盤屋は,ピアノ音を出す人の方が遥かにハイセンスで,曲に溶けてる気がします.シンセ系の音を出す人の音は,スケールの選び方がモサいうえにありきたりでツマラナイ印象を受けます.

そして,何よりもドラマーが下手くそ&ナンセンス過ぎます.ここまでセンスのない太鼓叩きは久々に見ました.

ここ(Wikipedia アメリカ版)をみると,どーもセッションドラマーっぽいです.バンド経験もあるみたいですが,よく知らないバンドなのでなんとも言えません.バケットヘッドのバックでいたみたいだけど,もしかしたら,そういう他の楽器を目立たせる叩き方しかしてきてない人なのだろうか……?

リズムの安定感はともかく,可哀想なくらいセンスないです.

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〜総評〜

正直,各曲のテンションの高さにはびっくりしました.あと,長年練り続けてきただけあって,どの曲も間違いなくオリジナリティーの塊です.それは,素直に評価できます.

ただし,曲はよくても,各個の音楽的なセンスと音取りは,新生ガンズというバンドのクセではなくて,Axl の指示のままに忠実に弾くだけの犬が集まった感じでちょっと切ないです.バンドってもっとお互いの主義主張の真剣勝負の場であってしかるべきじゃないかなー,と僕は思います.そういう緊張感がバンドの色を作っているわけだから,バンドでやる意義があるのであって,そうでないならGN'R という名に固執して,バンドスタイルを堅持する意味が分かりません.

次回作(いつ出るんだろう?)では,もっとバンドらしくAxl の思惑を外れたヤンチャな音を聞かせてくれたらいいなー,と思います.
posted by yulico at 22:26| Comment(0) | TrackBack(0) | 音楽 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

OASIS の新譜レヴュー

少し前に買ったOASIS の新譜のレヴュー.mixi より転載.

知っている人は知っているとは思うけれど(と言っても,ここを読んでいる人で知っている人がいたかどうかは凄く微妙だけど),僕は個人的にはOasis がそれほど好きなわけではない.大概のアルバムは持っているわけだが,それは基本的には叩くために買ったもので,別によく聞くわけでもない.ただ,確かに1st と2nd には聞くべき価値はあると思うし,"Live forever", "Supersonic", "Morning Glory", "Champagne supernova" の4曲はロック史に残る名曲だとは思う……,そんなのが,"Heathen chemistry" を聞くまでの評価だった.

"Heathen chemistry" を聞いてぶっ飛んだのは,リアムがちゃんと「歌」を歌えるようになっていた点.それどころか,歳食ったせいなのかなんなのか,声自体が凄く渋くなっていて,特に"The Hindu Times" が素晴らしかった(まぁ,他の曲は……).ただ,リアムがちゃんとバンドのVo として一本立ちしたと言う点で,僕個人の中での「Oasis = 兄ちゃんのバンドに自己中な弟が乱入してきてシッチャカメッチャカになっているバンド(逆に言うと,そんなVo の乱入程度でシッチャカメッチャカになるほど芯のないバンド)」という評価から,英国サイケ〜マンチェスターサウンドの延長線上の「バンド」として一定の評価を下せるレベルにあがったなー,とはじめて思った.

で,次作の"Don't Believe The Truth" だが,曲構成は地味ながら,前作の「バンド感」を発展させた感じで悪くないと思っていた(世間的にはあんまり評価高くないらしいけど).というか,ザックのドラムが英国サイケ〜マンチェスターサウンドの延長線上の音にEarly Generation of British Hard Rock なノリやmods なノリを加えていて,僕の好みにはしっくり来ていた.

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で,今作.

どうも情報が混乱していて(ライナーノーツはアホ評論家が書いているからなんの情報源にもならないし),現在のメンバー構成やなんかがわからないのだが,相変わらず,ザックがドラムを担当している曲とノエルのくそドラムの曲が混在しているらしい(ザック自身は既にOasis との関わりを断っている模様).聞いたらあからさまに分かるけど,ノエルがドラムを叩いている曲(よりによってオープニングトラック)は曲の入りからリズムのセンスがダサすぎて聞くに堪えなかったwww

……なので,ザック(というか本業ドラマー)が叩いている曲のみについてコメントします.あと,演奏技術論に関しては今更感が強いので割愛(相変わらずノエルのギターはリズムがメタメタだし,ソロはクソださいうえに音外しまくり.ベースに関しては「本業ベーシストを雇え」とマネージャーでもないのに口を出したくなるくらい,相変わらずのドヘタクソ&ノーアイディアマンだしなー.つーか,せめてギターと(音程的に)競合する音を出すのはやめて欲しい.聞いている方はいきなり低音がすっからかんになるので不安になるのだよ…….まぁ,不安を煽るのがサイケっていうんだったらアレだけどさ.……って,演奏技術論に関しては書かない,って言っておきながらメチャクチャ書いているな.まだ言いたいことはたっぷりあるけどこの辺で勘弁しておこう).

曲は,大部分が全二作から引き続き,究極劣化The Stone Roses(特に2nd)というか,マンチェの底に溜まった澱とZep の上澄みをごった混ぜにして適当に二分割した塊を皿の上に放り出したカンジで,まーいいんじゃね?っていう感想.4 曲目は「この時代によくもまぁ,こんな古くさいセンスで曲を作って出すよなー」という意味で凄く感動した(一応褒めてるんですよ?).あと,2 曲目の"The Turning" はタイトル通り,このバンドのターニングポイントになり得るような,(いい意味で)新しい風を感じた.あと8 曲目が後期ビートルズを思わせるようなサイケっぷりで個人的には大好き(これで,ベースがマトモでちゃんとリズム取れて,ドラムと良いグルーヴ出してたら完璧だったのに……).他に特筆すべき曲は9 曲目かな.6/8 なリズムというか,ドラムが面白かった.

取り敢えず,何から何まで「古くさい」.古くさい,と言うのは,単に曲調が懐古趣味だっていうことではなくて,色々実験的な音作りを試しているのは分かるんだけど,全部,どっかで誰かがやっているのを聞いたことがあるアイディアばかりっていう意味で…….要は完全にアイディアが枯れているんだろーなー,ノエルの.

今後に期待すると言う点では,2 曲目のどこかに眠っているっぽい,新しい風のようなもの(まだ聞き込んでないから具体的に指摘できないんだけど,サビの入りの静かな激しさ(コードは盛り上がらないし,コード展開的にはメロとあまり変わらないのにローテンションのまま絶妙にメロディーの位置エネルギーを上昇させているような感じ)とか,ソロでのちょっとディミニッシュな音使いとか……etc. がこれまでのOasis にはないものを感じる)を上手くコントロールして,新しいアイディアを提示してくれれば良いんじゃないかなー,と思う.

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すっげー毒吐いてるけど,"Heathen Chemistry" 以降は,結構,このバンドのCD には期待しているから言うんであって,このアルバム自体は,ここ二作の流れを汲んだ秀作〜佳作だと思うので,元々,Oasis が好きとか,ここ数作の流れが好きと言うのであれば十分に買う価値があると思います.

posted by yulico at 14:27| Comment(0) | TrackBack(0) | 音楽 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする