2010年02月08日

「涼宮ハルヒの消失」

こんばんわ.yulico です.かなり久し振りの更新ですが,個人的な映画の感想の備忘です.

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単純にアニメ「涼宮ハルヒの憂鬱」を全部見ているので,その続きが映画になったのであれば見ておきましょうか,というのと,「ハルヒ」の映画をわざわざ初日に見にくる客層というものに非常に興味があったので,同じくアニメ全編を視聴済みの相方(ヲタ)を連れて初日最終上映回へ.

映画館に入ると,ビックリするくらいの数のオタクが並んでいました.それはもう,ビックリするぐらいテンプレートなオタク像の人ばっかり.ただ,一部にはカップルとか,古き良きアニヲタみたいなタイプの人もちらほらと見掛けられました.少なくとも,「エヴァ:破」初日の客層のような「あの時代を共有体験としてもつ」という客の一体感のようなものは感じられませんでした(いや,ただ単に僕ら自身が「ハルヒ」に思い入れがないだけなんですが……).

しかし,リアルで「消失長門の可愛さは異常」とか言っているオタクを生で見ることが出来た,という体験自体は貴重なものだったと思います.

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以下,感想(含ネタバレ).

感想をひと言で言い表せば「30 分アニメを 5, 6 本繋げたって,一本の映画はできねーよ!」っていうことに尽きます.

ただひたすらにシーンを結合しただけと言う印象.そして,ただひたすらに冗長(キョンの語りのみによる物語の表現という「ハルヒ」という作品そのものの魅力は "語り部の冗長さ" にあると思うけれど,そういういい意味での冗長さではなく,退屈と言う意味での冗長.語りが冗長なのではなく,シーンそのもの,アニメーションそのものが冗長).多分,原作を知っている人はこういう,原作の全てのシーンを過不足無く映像化していること(?)に満足するんだろうけれど,映画というメディアと小説というメディアでできることの違いを見いだしたいと思うタイプの人にはナンセンス極まりないできに見えると思う.少なくとも,原作を(うすぼんやりとは前情報で知っていたとはいえ)全く読んだことのない僕にとっては,前評判で最も囁かれていた「原作の再現率」なんて心底どーでもいいので,「なんでこんなシーンを入れているんだ?(例:細かい寝起きシーンなどなど)」とか「この部分はもうちょっと過度に演出して観客にしつこく印象づけた方がいいんじゃね?(例:朝倉の長門に対する思い@おでんのシーンなどなど)」とか「小説とかならともかく映像作品でこのリアリティーのなさはヒドい(例:7F → 5F までの移動のエレベーター内での会話の長さ,不審人物(キョン)に対する色んな人の反応などなど)」とかが,もの凄ーく気になってストーリーに入りきれなかった.

あと,ストーリーのタイムラインがメチャクチャなのは,原作が出て久しい(らしい)けれど,誰も突っ込んでないの?あまりにも作中の解説がテキトーすぎて僕の理解が足りないだけかも知れないけれど,僕の理解では朝倉(俺の嫁)に刺された段階でキョンが死んでるんだけど,それで良いのかしら?(つまり,情報の連続性が保たれていれば「肉」に意味はないというスタンスなの?別にそーいうSF は珍しくもないから,それならそれで良いんだけれど).あと,素直に作中の光陽園古泉やら朝比奈さん(大)の解説だけを信じると,いろいろ明らかな矛盾があるけれど,実際の原作者の脳内タイムラインはどーなっているのか気になる(もし知っている人がいたら教えて欲しい←自分で調べる気はない).

(映画としてではなく)普通のアニメとして一定水準の面白さを維持していたとは思うけれど,これって結局「"長門さんの顔をしているのに人間らしい女の子" を描きたかっただけなんじゃねーの?」という風に邪推してしまいます(もしかしたら邪推じゃないのかも知れないけど).さらに,もっともらしく「ヒューマノイドインターフェイスに芽生えはじめた感情が暴走して『普通の女の子』としてキョンと接したかった」なんて解説がつけられているけれど,そういう場合に俎上にあるはずの「"感情" とは何ぞや?」という(SF 的)哲学を独自に解決しようとせずに,過去のSF 作品に依存することで言及しようともしない姿勢に悪い意味での狡猾さ(というか一種のいやらしさ)を感じました.

あ,あと,アニメーションの動きが凄くぬるぬるしているせいで,逆に,普通の人体の動きじゃないのが気になった(歩くときの足の間接の動きが不自然だったり,とか).ぬるぬる動かすんなら,ジブリくらい人の動きを研究した上でデフォルメして欲しい.それができないんだったら,ぬるぬる動かすのが間違い.

うーん.まぁ,そんな感じです.

なんか,うちの相方を含むオタクの方々が上映後になんかヒドいものを見たことを必死で否定するように「消失長門可愛かった」とか,そういう会話しかしていなかった,のが全てだったと思う(比較するものではないが,「エヴァ:破」のときは,同じ映画館,同じ初日最終上映だったけど,全員がスタンディングオベーションだったからねぇ).
posted by yulico at 00:00| Comment(0) | TrackBack(0) | にっき | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする