この二つ(「先人は平気で嘘を吐く」と「妄想は実証に先立たない」)は,昨日,なんということもなくほぼ同時に思いついた「名言もどき」なので,宣伝して流行らせようと思います.皆さんも,これを読んで気に入って頂けたら使ってみて下さい.
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この言葉の真意は三つあります.
第一に「先人が嘘を吐いたわけではなく,その後の研究の進展でかつての正論が嘘になることもままある」ということ.
これはごく当たり前のことで,例えば,地球科学の分野においては,プレートテクトニクスの理論が成立する以前の論文は,先人自身が嘘を吐く気がなくても,地向斜造山論という嘘を書いてしまっていることになります.つまり,論文の書かれた背景を無視して論文を読む事は出来ない,という戒めです.
第二に「実際に先人が,(当時の常識・背景を鑑みても)嘘を吐いていることが本当にある」ということ.
先人は自分ほど慎重に議論を進めていたかどうか解りません.また,先人は自分よりも遥かにおっちょこちょいの慌てん坊で,データの解釈を勘違いしているかもしれません.更に,先人は自分より遥かなお馬鹿さんかも知れません.
第三に「先人(研究者)は確信犯の嘘を吐く」ということ.
これには少し重要な問題が含まれるので,後日,別に書きますが,簡単にいうと,有限の結果(真実)からは,唯一の真実を語ることは出来ないし,語る必要もない,ということ.
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以前書いていた「環境問題(笑)」シリーズみたく,「科学哲学(笑)」シリーズっぽくなってきましたが,まだまだ,書きたいことがあるので,このシリーズはしばらく続きます.
取り敢えず,現在のところ想定している今後の予定(は未定)は,
「研究者は確信犯の嘘を吐く」
「モンスター倒してレベルアップ!〜経験値のため方〜」
「美しい嘘を吐くために僕らがすべき最低の準備」
……です(タイトルは気分次第で変わると思います).