2007年03月22日

もう冬も終わるから

 こんばんわ.yulico です.

 まあ,季節の変わり目ってことで(性的な意味で).
 東京では桜が咲いたって話ですし(性的な意味で).


六花

冬の終わり.
今年の冬はちっとも厳しくなかったけれど,
いつもの冬の終わりと変わらぬ大粒のぼた雪が降る.
結晶は5mm 大の六角形でゴシックな洋建築.

昼間の締まりのない外気と違う,
冷たい夜.
冬の名残の空気に僕の息は白く.

街灯に照らされる雪の華は脆く,街灯の光にも揺れ,
覗き込む僕の吐息に触れることもない.
咲いて散る夏の花火のように誰に騒がれることなどなく.

ただ,薄汚れた冬の澱を浮かべ,水溜まりに還る.
冬の終わり.

六花

冬の終わり.
今年の冬はちっとも厳しくなかったけれど,
いつもの冬の終わりと変わらぬ大粒のぼた雪が降る.
結晶は5mm 大の六角形でゴシックな洋建築.

昼間の締まりのない外気と違う,
冷たい夜.
冬の名残の空気に僕の息は白く.

街灯に照らされる雪の華は脆く,街灯の光にも揺れ,
覗き込む僕の吐息に触れることもない.
咲いて散る夏の花火のように誰に騒がれることなどなく.

ただ,水に還る.
冬の終わりに,薄汚れた澱に.


ー解説ー
 後者が元版.ただ,ラストが若干解り辛いので丁寧に解説するために前者を.個人的には,「終わりに」と「澱に」の韻を被らせた後者の方の響きが好き.その代わり,前者では入りと結びを「冬の終わり」で統一出来たのは綺麗と思う.

 「薄汚れた澱」って言葉が中二病臭くて嫌だが,ただの風景描写詩.解説もクソもありません.「写実こそが詩」とかなんとか言ったのは,子規だったか虚子だったか忘れたけれど,賢治っぽいのばっか書いてるのもアホ臭いのでたまにはこういうのも書いてみるテスト.

 感想等お待ちしております.
posted by yulico at 21:18| Comment(0) | TrackBack(0) | 詩の試作、文芸 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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