http://wsoku.blog44.fc2.com/blog-entry-280.html
(元ネタ「10代で読んでいないと恥ずかしい必読書 」:http://anond.hatelabo.jp/20080313030006)
この中で自分が十代で既に読んでたのは(つーか,今まで読んだのは,という方が正確だな),
ショーペンハウアー『意志と表象としての世界』
ヘーゲル『精神現象学』
パスカル『パンセ』
カント『純粋理性批判』
キルケゴール『不安の概念』
スピノザ『エチカ』
フッサール『論理学研究』
ハイデガー『存在と時間』
サルトル『存在と無』
レヴィ=ストロース『悲しき熱帯』
ソシュール『一般言語学講義』
チョムスキー『文法理論の諸相』
ウィトゲンシュタイン『論理哲学論考』
ドゥルーズ&ガタリ『アンチ・オイディプス』
バタイユ『エロティシズム』
モース『社会学と人類学』
マクルーハン『メディア論』
マルクス『資本論』
クーン『科学革命の構造』
フッサール『論理学研究』
ラッセル『西洋哲学史』
クラウゼヴィッツ『戦争論』
ドーキンス 『利己的な遺伝子』
ギブソン『生態学的視覚論』
ホーキング『ホーキング宇宙を語る』
くらいか?もしかしたら一部は十代じゃないかもしれないですが…….
正直,こんなもん全部十代で読んでいる人間なんて気持ち悪いだけのような気がするが……(自分でも上の一部は中二病時代に理解出来ないくせに格好付けで読んでみただけだし).
ちなみに,読んだことのあるリストの中で,正直,(教養という意味ではなく,実際的な意味で)役に立ったのは,せいぜい「パンセ」「純粋理性批判」「論理哲学論考」「存在と無」「西洋哲学史」「一般言語学講義」くらいかしら?
選書に難がありすぎる気もするしなぁ……(キェルケゴールといったら「現代の批判」か「あれか,これか」じゃねーの?……とか言い出したら切りがない).
このリスト自体,なんか,中二病な人間が「自分はこんなのを若い内に読んだぜ!」自慢の臭いが漂っていて微妙(いや,勝手な僻み&妄想ですけどね……).つーわけで,もうちっと一般書や小説も混ぜて,個人的に十代の若い内に読んでおいた方が良いものリストでも書いてみることにした.
以下,暇な人だけお付き合いください.
自分が昔読んだ中で十代に読むべきと思う本リスト
(と簡単な解説,つーか,理由)
(海外)
ドストエフスキー
「カラマーゾフの兄弟」「罪と罰」
トルストイ
「戦争と平和」「アンナカレーニナ」
(ロシア文学は若い頃,時間と性欲とを持て余している時期じゃないと読めないから.枯れ切ってから読んでも体力を消耗するだけでちっともためにならない)
ヘッセ
「車輪の下」「春の嵐」「デミアン」「シッダールタ」など.
(ドイツ教育文学の最高峰である(と勝手に思っている)ヘッセは十代のうちに出来る限りのタイトルを読破すべき.個人的には「春の嵐」が一番好き)
マン
「ヴェニスに死す」
(映画でもおk.いや,むしろ映画の方がタッジオにハアハア出来るかも……)
「魔の山」
(中学生の頃の俺が「結核」になって「サナトリウム」で死にたいとか妄想するようになった切っ掛け……みんな,そういう黒歴史を抱えればいいんだっ!)
ブロンテ
「嵐が丘」
(ヒースクリフ!ヒースクリフ!)
カフカ
「城」
(敢えてこれを.他は年取っても読めるしね)
カミュ
「シーシュポスの神話」「異邦人」「ペスト」
(ふじょうりってなーに?)
コレット
「青い麦」ほか
(女なんて,こんなもん.でも,この絶望感はなんだろう……)
バタイユ
「眼球潭」
(変態!ド変態!el 変態!!!/くぎゅボイスで)
セリーヌ
「夜の果てへの旅」
(十代にはちと早いかしらん?)
キング
「スタンドバイミー」〜「恐怖の四季」より〜
(十代で一度読んで憧れて,親父になってから読み返して涙を流すべき)
バージェス
「時計仕掛けのオレンジ」
(スラング最高)
ディック
「アンドロイドは電気羊の夢を見るか」
(SF 好きとしてSF は外せないんだけど,まぁ,この辺の有名どころなら入りやすいかと…….ブレードランナーもあるしね)
チャペック
「R.U.R.」
(戯曲だけど.ロボットの語源の本ね.SF としてというよりは,最後の愛の告白が涙なしでは読めない)
ゲバラ
「ゲバラ日記」
(戦記物の最高峰だと思うんだ)
ウィトゲンシュタイン
「論理哲学論考」
(理系の人間は,哲学なんてこれ読んで殺しておけば良いと本気で思う.理系の人間が把握すべき哲学はこの本一冊でおk,少なくとも十代のうちはね)
カント
「純粋理性批判」「自然科学の形而上学原理」「実践理性批判」
(ウィトゲンシュタインじゃ物足りない人はこの辺押さえとけば哲学に浸った気分になれるんじゃね?)
セーガン
「コスモス」「コンタクト」
(科学者が考える空想の世界はアホな作家の妄想の数百倍美しく,そして,突飛である――おれ)
「人はなぜエセ科学に騙されるのか」
(科学啓蒙書として一流の書籍)
(日本)
堀辰雄
「風立ちぬ」「聖家族」「美しい村」など
(仏文風日本文学の最高峰.静かで美しい,流れるような日本語で紡がれる美しすぎるせいで残酷かつ気持ち悪い物語の数々)
上田敏
「海潮音」
(翻訳の教科書,と個人的に勝手に思い込んでいる詩集)
石川啄木
「一握の砂」
(和歌代表)
谷川俊太郎
「二十億光年の孤独」
(現代詩代表.敢えて処女作の荒削りの頃を十代で読んでほしい)
太宰治
「斜陽」
(太宰を読むなら「斜陽」から.個人的に日本文学の最高傑作だと思っている)
「津軽」
(恩人に孝行する気になれる.故郷に帰りたくなる)
「二十世紀旗手」
「ダス・ゲマイネ」ほか太宰は全作読むべき
(解らなくてもいい,ただ,感じろ!!)
夏目漱石
「こころ」
(他は読まなくても良いから,「こころ」だけは絶対に読むべき)
芥川龍之介
全部
(芥川を読まずして日本文学を語る事は出来ない)
椎名誠
「犬の系譜」「アドバード」ほか
(椎名誠のエッセイなんて読まないでいいから,小説を読むべき.この人は小説を書かせたら天才)
町田康(町田町蔵)
「きれぎれ」「パンク侍切られて候」「告白」ほか
(夏目ー芥川ー太宰ー椎名ー町田康……が,日本文学の正しい系統だと信じている俺が来ましたよ.町田は天才,これだけはガチ)
北杜夫
「夜と霧の隅で」
(ドクトルマンボウだけじゃないんだよ)
泉鏡花
「高野聖」ほか
(幻想,奇譚.……解説が面倒くさくなってきたのは,僕と君だけの秘密だよ?)
和辻哲郎
「風土」
(キリスト教を理解していれば猿でも読み解ける西洋近代哲学と違って,日本の哲学って難しすぎてワタクシは「風土」までしかついていけないのです,恥ずかしながら……)
……疲れてきたからこの辺で.
いろいろすっぽかしている気がするけど,大事なところは外していないと思う.
ちなみに,偏りがあるのは仕様です.
【関連する記事】
「地獄変」フェチなんですよね…。
太宰も漱石も読みましたけど、地獄変が好きです。(この偏り具合が病的ですよ!)
あの地獄変を書きはじめたことによって生まれた良秀の狂気と,その描写としての「炎に巻かれる娘」,結末.美し過ぎます.