R.E.M. "Accelerate"
近年のロックシーンの傑作の一つにあげていいと思う素晴らしい出来のアルバム.間違いなく'00 年代に出たロック〜ハードロックアルバムの中で五本指に入る名作だと思う.
個人的にはGreen Day の"American Idiot" やRed Hot Chili Peppers "Stadium Arcadium", U2 の"How to dismantle an atomic bomb?" と並ぶ「(いい意味で)え?お前何やってるの?」アルバムの一つ.50 代に差し掛かったオルタネイティヴパンク〜ニューロックのバンドが,初期N.Y. パンク〜後期ブリティッシュハードロックな音を出しつつ,それでいて,バンドの持つ空気やノリが全然失われていないとか…….
はじめに聞いたときは一曲目のイントロのギターで,完全に意識を持っていかれて,30 分の間完全に放心状態で聞いてしまった…….
In Flames "A sense of purpose"
どんなことがあっても過去の作品のクォリティーを超える新作を出し続けることに定評のあるIn Flames だが,前作"Come Clarity" が大傑作だったので少し心配していた.しかし,蓋を開けてみれば,今作も大傑作とまではいかなくとも,クォリティーは全く下がっていない秀作と言った感じ.
取り敢えず,全編に渡っていい意味でメロデスの新しい教科書みたいな曲が並ぶ.前作みたいなキャッチーさや凄みはないんだけれど,無駄に高い演奏能力と歌えるデスボーカルであるアンダースの特徴的な歌声をフル活用して「堅実なメタル」を目指している感がある.
前三作("Reroute to remain", "Sound track for your escape", "Come clarity")くらいのアメリカンニューメタル的な音と北欧の泥臭いメロデスの融合と言う音楽的実験が一段落ついて,完全にそういうタイプの音を体得した結果,そのジャンルのスタンダードになりうるような堅実なアルバムを作っておこう……みたいな雰囲気が感じられる.
確かに,個人的には,必ず北欧の民謡をアコギで弾いた曲が一曲だけ入っているという構成の頃の泥臭いメロデスも好きだけど,名実共に世界のメタルを引っ張る立場になりつつあるIn Flames ほどのバンドにそれを望むのは酷だと思うし,こういう方向性を極めて,最終的に行き着くところがどこになるのかを見極めたい思いもあるので複雑.
ただ,次回作くらいで遊び半分に"Whoracle" の頃のようなアルバムを一発だけ出してくれたりすると私のようなオールドファンは喜ぶんだけどなー.